2013年1月のご挨拶

2013年1月1日多摩平の森にて
新年明けましておめでとうございます。2013年の年明けと共に、2009年から4年間お休みしておりましたホームページを再開することに致しました。2003年のこのホームページ開始以来応援してくださっていた皆様、大変お待たせいたしました。

 音楽大学に3年在籍し、演奏活動や仕事を自粛し、勉強に専念した時間は、自分にとってなかなか厳しい時間でありました。これまでの自分を振り返って、自分は真摯に音楽に向き合えていたのか。自分の感性や信念にどれほどの根拠があったのか。指揮を振ることそのもの勘違いしてはいないだろうか。一つ一つの基本的な問いが自分に突き刺さり、時に、足元がぐらつき、握っていたものが砂が手から零れ落ちていくような感覚。音楽を演奏し表現することで得ていたカタルシスを自ら失い、現れては消える一縷の望みと否定の間で、浮いては沈みを繰り返す日々でした。

 苦しい日々でしたが、今振り返ると、音楽と向き合う上で欠かせない多くのヒントを得る事ができました。それが何かは、企業秘密で(笑)、細かにはお話できません。ただ申し上げられることは、それが「答え」ではなく、ヒントであるということです。1+1=2のように、こうすれば正解というような安易な「答え」など、そもそも音楽にはなく、学べるはずもないのです。それまでの経験から自分が「答え」だと信じていたものを一度否定し、新たに広い視野から得たヒントを糸口に、自分にいつも問いかけながら、楽譜や音楽を考えていきたいと思っています。

 もう一つ得たことは、音楽とオーケストラが好きということ、そして音楽はやはり偉大だという事です。この日々は自分が音楽を演奏したいというエネルギーを爆発せんばかりに溜め込む4年間でもありました。修了して徐々に活動を再開し、オーケストラの方々と一つのものを作っていく喜び、新たなオーケストラとご縁を得て、出会う人たちの豊かさ。そして作曲家が精魂こめて築き上げた音楽のなんという巨大さ。今、自分は幸せ者である実感を日々いただいております。

 今年も一つ一つの音楽との出会い、人との出会いを大切にし、全てのリハーサル、本番を力を尽くして取り組んで参りたいと思います。今後ともどうぞ宜しくお願い致します