東京都障害者総合スポーツセンター 「みんなのつどい」弦楽コンサート

日時2005年12月4日(日)11:00~11:40
場所東京都障害者総合スポーツセンター
指揮宮野谷 義傑
演奏曲カノン、「となりのトトロ」、クリスマスソングなど

北区王子にあります障害者スポーツセンターでの演奏依頼にお応えしての演奏会でした。この施設は、私が小学校、中学校、高校とずっと通っていた思い出深い場所です。ぜひともご期待に添えるよう精一杯演奏いたしました。

メ ンバーはMFL管弦楽団の弦メンバーとざま弦楽アンサンブルの弦メンバーの有志の皆さんでした。スケジュールの都合上、あまり練習の時間が取れない中での 演奏でしたが、モーツァルトのアイネ・クライネ・ナハトムジークやG線上のアリア、そしてとなりのトトロなど、ぬくもりのある音楽をお届けできたのではな いかと思っています。お客さんとの距離も大変近く(ちょっと近すぎ!?)、非常にアットホームなコンサートでした。

2005年12月のご挨拶

こんにちは。12月に入ってばたばたとしている間に、あっという間に年末になってしまいました。2005年ももうすぐ終わろうとしていますが、今月は本当に寒いですね!新潟のように雪が降らない分、文句を言ってはいけないような気がしますが、それでも寒いです。

先 日、NHKで町田市が中学2年生に4日間だけ社会を経験してもらうという取り組みを取材した番組を見ました。工作など物づくりに興味のある子は工場に、自 分の髪をいじることに興味のある子は美容院に、といった具合です。最初は大人と話すことに戸惑ったり、お客さんに挨拶ができなかったり、単純作業に辟易と しているのですが、時間が経つにつれて、働く大人が身近になっていくのと同時に、「プロ」の技術のすごさ、仕事への責任感を肌で感じるようになってくるの です。が近年は、汚職や耐震偽装など「大人のすごさ」より「大人の汚さ」ばかりが表に出てばかりですが、身近にいる大人たちはこんなにすごいんだ!と中学 生と一緒に感動してしまいました。仕事について、私たちはとかく効率や採算について語ることが多々ありますが、そうではなく、ひとつひとつ「きちんとする」ことが大切であることを感じました。音楽の世界も同じことがいえます。ピアニスト、ヴァイオリニスト、一流の音楽家はみな想像を超えるテクニックと音 楽性を持っています。しかし、音楽の世界、とくにクラシックの世界では、ごく一部の世界的な音楽家やオーケストラを除いて、なかなか採算を取ることができ ない現状にあります。この現状を打破するべく、年間に許容量以上のコンサートをしたり、無理な世界ツアーを組んだりということが行われています。

ですが、次世代に伝えていくべき音楽は、やはり「妥協のないきちんとした音楽」であるべきだと私は思います。最近再びY先生の指揮セミナーを受講していま す。「物事をきちんとする」ということがいかにシビアで、難しいかを痛感させられました。音と音のつながり、調性のつながり、楽器のバランス、全てをきち んと理解し、きちんと演奏者に伝えるということがどれほど難しいか、音楽をするということが決して甘くないということを再認識できた貴重な時間でした。次 世代に伝えていくことができる、きちんとした音楽、プロの技として誇れるような技術と感受性を今後も磨いていきたいと思います。

最後になりましたが、今年一年、お世話になりありがとうございました。今後とも自分を改革し続けたいと思いますので、2006年もどうぞ、宜しくお願いいたします。