2006年12月のご挨拶

こんにちは。12月に入り、ウィーンもすっかりクリスマスムードに包まれています。カールス教会の 前の広場もすっかりライトアップされ、クリスマス市で屋台が出たり、移動遊園地があったりと、夜遅くまで賑わっています。今年の9月~11月は、18世紀 に気象観測を始めて以来の「暖かい秋」だったそうで、12月の今でも気温は最低でも2・3度、昼間は10度近くまであがっています。例年なら寒いときはマ イナス20度にもなるそうなので、今のところはとても助かっています。

先日は大学時代の友人に会いにパリに2泊3日で行ってきました。パリ に行くのは数年ぶり2度目でしたが、痛感したのは、ウィーンに比べてパリが大都会であるということ、そして都会であるにもかかわらず多くの地下鉄の駅にま だエレベーターもエスカレーターもないなど、バリアフリーがまだまだ進んでいないということです。レストランやカフェの入り口にもやはり大きな段差がある など、まだまだ車椅子には厳しい街だと感じました。

ルーブル美術館の中の段差解消機は新しくなっていて、以前はいちいち係員を探さなくては 乗れなかったものが、自分で乗れるようになっていました。ただ全ての階段にこの機械が付いているわけではないので、時には遠回りしなくてはならないのは問 題です。(ルーブル、オルセー美術館の入場料は障害者は無料なのであまり文句は言えませんが。)モナリザが入り口からぐっと近くになっていたのには驚きま した。(たどり着くまでに楽になったのは嬉しいのですが、少しありがたみが薄れてしまったような気がするのは私だけでしょうか)
ウィーンは パリに比べると小さな都市ですが、バリアフリーは思いのほか進んでいます。地下鉄は4路線ほとんど全ての駅にエレベーターがついています。中心部を走るバ スは全て低床バスですし、路面電車も半分くらい低床車輌が走っています。交通手段に関しては日本に負けないくらいバリアフリーが進んでいるのではないで しょうか。

ただ、ウィーンの建物は歴史的に古い物が多いので、どうしても入り口から段差があるものが多いようです。建物の中にもエレベー ターの前に数段階段があったり、ひとりで行動するにはやはり厳しい面もあります。オペラ座やコンサートホールの車椅子席がとても少ないことも非常に厳しい です。(毎回争奪戦です)

車椅子ユーザーにとってウィーンにはもう一つ大きな問題があります。ウィーンには愛犬家の方が多いらしく、あちこ ちで大小さまざまな犬を見かけます。みんなきっちりとしつけをされているので、車椅子を見ても(驚きたじろぐ子もいますが)吠えかかったりしてくる犬は まったくいません。大きな犬はハンニバルのように口に金属製のマスクをしている犬もいます(見てて少しかわいそうですが)問題なのは犬ではなく飼い主のほ うというべきでしょうか、道端によく落ちているんです、うん○が。たばこの吸殻もよく落ちていて、路上はとても美しいとは言い難いのですが、犬のう○こは 車椅子ユーザーには大敵です。踏んでしまおうものなら、タイヤを通じて手にまで付いてしまうのです。時には犬!?と思うような巨大なものまで。。暗い夜道 には本当に気を遣います。どうぞ愛犬家の皆さん、宜しくお願いします。

一年の最後のご挨拶が少し汚い話になってしまいました。初めて過ごすヨーロッパでのクリスマス、年末年始が楽しみです。皆様、よいお年をお迎えください。